■「TOKYO WINDS」とは:
フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット(バスーン)、ホルンの5人による「木管五重奏」という編成のアンサンブルです。
*現在このアンサンブルは活動していません。 公演依頼のお問い合わせなどは、現在活動中の“風の五重奏団”へお願いいたします。
■メンバー紹介:
フルート:岩佐 和弘(いわさ かずひろ)
1985年東京音楽大学卒業後フランスへ留学。パリ、ベルリオーズ音楽院で、レイモン・ギオー氏に師事。1988年パリ、ユーファム国際コンクール入賞。89年ベルリオーズ音楽院をプルミエプリを得て卒業。同年、パリエコールノルマルに入学し、工藤重典氏に師事。91年同校のディプロムコンセルティスト(演奏家資格試験)を審査員満場一致の首席で卒業。93年、東京文化会館にてリサイタル開催。これまでに、宮崎国際室内楽音楽祭、水戸室内管弦楽団、パイヤール室内管弦楽団などの公演に出演。
現在サイトウキネンオーケストラ、トウキョウ・モーツァルトプレーヤーズメンバー。
オーボエ:和久井 仁(わくい ひとし)
オーボエを似鳥健彦氏に師事し、1989年東京芸術大学入学。同校ではオーボエを小島葉子、小畑善昭の両氏に、また室内楽をH・ピュイグ・ロジェ、中川良平、山本正治の各氏に師事。91年東京文化会館推薦新進音楽家デビューコンサート出演。同大学を卒業後、東京佼成ウインドオーケストラ首席奏者を経て2001年4月より愛知県立芸術大学音楽学部講師を務めている。
トウキョウ・モーツァルトプレーヤーズメンバー。現在NHK交響楽団の団員です。(2006年2月28日更新)
クラリネット:赤坂 達三(あかさか たつぞう)
国立音楽大学で学び、パリ国立高等音楽院をはじめ、ベルサイユ国立音楽院、パリ区ポール・デュカス音楽院のクラリネットと室内楽のクラスをすべて1位で卒業。トゥーロン国際音楽コンクール3位、パリ国際音楽コンクール1位、日本クラリネットコンクール1位なしの2位、日本木管コンクール1位。
現在、国内外のオーケストラや弦楽四重奏団との共演のほか、全国各地でリサイタルを行い、好評を得ている。CDは6枚のソロアルバムがリリースされている。99年日本音楽コンクール、日本木管コンクール各審査員。
ファゴット:藤田 旬(ふじた じゅん)
東京音楽大学、カールスルーエ音楽大学において、霧生吉秀、菅原眸、ギュンター・プフィツェンマイヤー、シュテファン・クリンクスの各氏に師事。広島国際文化財団海外奨学資金(ヒロシマ・スカラシップ)第6回奨学生として渡独。 山形交響楽団、リューネブルグ市立歌劇場管弦楽団を経て、現在トウキョウ・モーツァルトプレーヤーズメンバー。
ホルン:小川 正毅(おがわ まさき)
東京芸術大学音楽学部を卒業後山形交響楽団に入団。アスペン音楽祭、木曽音楽祭に参加。山形交響楽団第74回定期演奏会にソリストとして出演。また近年は山下洋輔氏と共演するなどジャズの分野でも活動している。ホルンを沖田晏宏、山本真、守山光三、千葉馨、J・ツェルミナーロ氏の各氏に、室内楽を中川良平、海鉾正毅の各氏に師事。現在トウキョウ・モーツァルトプレーヤーズメンバー。(財)音楽文化創造認定の生涯学習音楽指導員資格を持つ。
■経歴:
1993年、フルートの岩佐和弘とクラリネットの赤坂達三を中心に、主にフランス音楽の演奏を目的に木管五重奏団を結成、コンサートの他、テレビ、ラジオ等にも多数出演、(NHK-FM「FMリサイタル」、テレビ朝日「ニュースステーション」等)活発に活動していました。
その後、オーボエの和久井仁、ファゴットの藤田旬、ホルンの小川正毅が加入、「トウキョウ・ウィンズ」として、97年7月に東京の浜離宮朝日ホールにてデビューし、同時にマイスターミュージックよりCD「トウキョウ・ウィンズ/ノヴェレッテ」(商品番号:01)がリリースされました。
98年からは、アサヒビール主催のロビーコンサート(東京、茨城、名古屋、大阪)をはじめ、全国各地で演奏し、CDはNHK-FM等で取り上げられ、いずれも大好評を得ています。また2000〜2001年度には(財)地域創造による「公共ホール音楽活性化事業」の登録アーティストに選ばれ、兵庫、福岡、秋田、鳥取、熊本、岡山の各県でコンサートやワークショップ(講習会など)を行いました。
2002年8月には「第28回清里音楽祭」に招かれ、「木管五重奏・中欧編」「木管五重奏とトリオ、ソロによるフランス音楽」と題された2回のコンサートを行いました。
2003年2月には東京都三鷹市の三鷹市芸術文化センターでの「TOKYO WINDS VS 田中靖人 VS 白石光隆」に出演、ピアノやサクソフォンと共演し、その楽しさは大きな話題となりました。
その後も2003年10月に愛知県蒲郡市、2004年2月に高知県高知市と滋賀県大津市、同じく2月と6月に富山県高岡市でのコンサート、6月19日に東京上野の東京文化会館でリサイタルを開催。その他、NHK-FM「名曲リサイタル」、NHKの教育番組「トゥトゥアンサンブル」に出演しました。
■インタビュー記事:
以下は2001年11月25日にTOKYO WINDSが東京晴海の第一生命ホールで行われた「ハナ、ハト、マメ、『ます』に『アメリカ』〜しつないがく・はじめの・いっぽ〜」に出演した時のプログラムからの抜粋です。(「注」はこのページのために追加しました。)
この時TOKYO WINDSはCD「ノヴェレッテ」にも収録されているドヴォルザークの「アメリカ」を演奏しました。
インタビュー/小川正毅さん(トウキョウ・ウインズホルン奏者)にきく
「木管五重奏って何だ?」
----木管五重奏とはどんな楽器で演奏するんですか?
小川:まずフルート。横笛の仲間ですね。次にオーボエ。これは言うなれば「西洋のチャルメラ」です。「リード」という楽器の口にくわえる部分についている木の板が2枚ついている仲間です。同じ2枚リードの楽器にはファゴットがあります。オーボエよりも低い音が出ます。
この2枚リードの楽器に対して、1枚のリードで演奏するのがみなさんよくご存知のクラリネットです。そして、あともうひとつ、「木管」といいながらなぜか昔から入っているのがホルン。「木管五重奏」と聞いてもホルンは思いつかないかもしれませんね。
----木管五重奏の特色は?
小川:各楽器の音の出し方がみんな違います。オーボエとファゴットは同じですが、それ以外は楽器の成り立ちからして違います。これは弦楽器や金管楽器のアンサンブルとの大きな違いですね。音の出し方が違うということは、音色が多彩であるという風にも言えます。いろんな楽器の音を楽しんで聴いていただけたら嬉しいです。
----みなさんは普段オーケストラで演奏されていることも多いと思いますが、オーケストラと室内楽の違いはなんですか?
小川:オーケストラは人数も多く、指揮者が一つの方向を示して音楽を作っていくのですから、全員がやりたいように演奏するわけにはいきません。室内楽はやりたいことをある程度自由にやっていい場所だといえるでしょうね。「ああしろ、こうしろ」と言われない代わりに、自分で音楽に責任を持って作っていくわけです。
会社にたとえるなら、あるひとつのプロジェクトを任されたチームみたいなもの。時間と場所を与えられて、この中で自由にやっていいよ、といわれるのに似ているところがあるかもしれません。
(注:1)他にライヒャなどがあります。他の編成からの編曲作品には、よく演奏されるハイドンの「ディヴェルティメント」や、J.S.バッハ、モーツァルト、ベートーヴェンの作品などもあります。また、オーボエ以外の4人によるロッシーニの「6つの四重奏曲」やフルート以外の4人によるシュターミッツの「四重奏曲」も古典派の貴重なレパートリーです。
(注:2)タファネルという人の「五重奏曲」が、ロマン派の貴重なレパートリーと言えます。
(注:3)ヒンデミット、イベール、ミヨーはいずれもCD「ノヴェレッテ」に収録されています。他にはフランセ、ニールセンなど、近代、現代には多くの作品があります。TOKYO WINDSもよく演奏しているファルカッシュの「ハンガリーの古い舞曲集」のように、近現代の作曲家が、古い時代の音楽を元に作った曲や、アメリカの作曲家S.ジョプリンの「ラグタイム」(ピアノからの編曲)の譜面もあります。
(注:4)クラシックだけでなく、TOKYO WINDSが「公共ホール音楽活性化事業」でたびたび演奏した「サウンド・オブ・ミュージック」のような映画音楽や、木管五重奏にピアノを加えた編成による「日本のうた」シリーズ(中川良平氏による編曲)など、親しみやすい曲の譜面が増えてきました。TOKYO WINDSも、コンサートの企画段階でのリクエストにお答えして、このような曲も積極的に演奏しています。
■プログラムの見本
■コンサートの様子
(2002年1月更新)
*現在このアンサンブルは活動していません。
公演依頼のお問い合わせなどは、現在活動中の“風の五重奏団”へお願いいたします。
(2011年10月更新)